低リン血性くる病ナビ(医療関係者向け) > 家族性低リン血性くる病について > その他のくる病関連疾患について
腫瘍性骨軟化症(TIO)は、良性の間葉系腫瘍がFGF(線維芽細胞増殖因子:Fibroblast Growth Factor)23を過剰に産生し、リンの腎再吸収障害を起こし低リン血症となる後天性の疾患です。
1)松本 俊夫:厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患克服事業 ホルモン受容体機構異常に関する調査研究 平成20~22年度 研究報告書, 2011
※1:%TRP=[1-(血清クレアチニン×尿中リン)/(血清リン×尿中クレアチニン)]×100
※2:TmP/GFRはWaltonとBijvoetのノモグラムから求められる。
Fanconi症候群は、腎近位尿細管の広範な機能障害により、通常は腎近位尿細管で再吸収されるリン、アミノ酸、重炭酸、ブドウ糖、尿酸などが尿中へ過剰に排出される疾患です。
原因は先天性要因と後天性要因に大別されます2)。
2)関根 孝司:小児科診療, 71(2), 293, 2008
3)独立行政法人 国立成育医療センター研究所 成育政策科学研究部:平成22年度小児慢性特定疾患治療研究事業の全国登録状況 (https://www.nch.go.jp/policy/shoumann22/08-senntennsei22/h2208.htm)
未熟児くる病は、早産児で認められるリンおよびカルシウム不足からくる疾患です。
リンおよびカルシウムは、妊娠第3期に胎盤を通じて胎児に蓄積されますが、早産児はその時期を胎内で過ごすことなく出生するために不足します。
4)和田 和子:腎と透析, 69(2), 221, 2010