低リン血性くる病ナビ(患者さんとそのご家族の方向け)P君のくる病解説骨について・くる病について

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P君のくる病解説 「P君」がくる病についてわかりやすく解説するコンテンツです。

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P君のくる病解説

骨について・くる病について

「くる病」ってどんな病気?ここでは、リンが足りない人たちにリンを届けているPくんが、みなさんが疑問に思うようなことをやさしく解説していきます。Pくんと一緒にくる病について知っていきましょう。くる病について、ぼくと一緒に勉強していこう!!まずはくる病を知る前に、骨がどのように作られているかを知っておこう。

骨について

骨は常に新しい骨に作りかえられています。古くなった骨をこわし、新しい骨が作られますが、最後にリン(P)やカルシウム(Ca)で骨を強くするためのコーティング(石灰化)をします(図1)。この石灰化において、リンとカルシウムはとても重要な役割を担っています。

図1 骨が作られるまで 古くなった骨を壊す←→新しい骨をつくる コーティング(石灰化)

リンやカルシウムは食事に含まれており、ビタミンDと呼ばれるビタミンにより体への吸収が促進されます。ビタミンDは骨の石灰化にも関わっており、リンやカルシウムと同様に重要な栄養素の1つです。

くる病について

くる病とは

くる病は、O脚・X脚などの骨の変形や、転びやすいなどの歩行障害がみられる病気です。ビタミンDが作用しなくなったり、リンが不足することにより、骨の石灰化が妨げられることで起こります。くる病の中でも、リン不足によるものを「家族性低リン血性くる病・骨軟化症」、ビタミンD不足やビタミンDが作用しないことにより起こるものを「ビタミンD欠乏症」、「ビタミンD依存症」と呼びます(図2)

※:一般的に、「くる病」は小児にみられ、「骨軟化症」は成人にみられます。また、家族性低リン血性くる病は、「原発性低リン血症性くる病」、「ビタミンD抵抗性くる病」とも呼ばれることがあります。

図2 くる病の分類 くる病 家族性低リン血性くる病・軟骨化症 ビタミンD欠乏症 ビタミンD依存症

リンが不足する原因

血液中のリンは、腎臓からの排泄(尿排泄)、腸管からの吸収、細胞内や骨とのやりとりによって一定の範囲に調節されています。
血液中のリンが不足する原因は、

1尿中へリンが過剰に排泄される
1食事からとるリンが不足したり、リンが腸管から吸収されない
1血液中から骨や細胞内へ、リンが過剰に移動する

という3つに分けられます(図3)

図3 血液中のリンが不足する原因 ①リンが腎臓から尿中へ過剰に排泄される ②リンが腸管から吸収されない ③血液中から骨や細胞内へリンが過剰に移動する 図中の矢印は、リンのやりとりを示しているよ。リンのほとんどは骨に存在しているんだ。

家族性低リン血性くる病のほとんどは「X連鎖性低リン血性くる病」

家族性低リン血性くる病は、3つの原因のうち、1のリンが尿中へ過剰に排泄され、血液中のリンが不足することによって起こります。これは遺伝子の異常により引き起こされ、家族性低リン血性くる病は、原因となる遺伝子別にさらに細かく分類されますが、そのほとんどはX連鎖性低リン血性くる病(XLH)と呼ばれる疾患です。XLHは、男女に関係なく2万人に1人の割合で発症するといわれています。

遺伝子の異常で、リンが過剰に尿へ出てしまうから、血液中のリンが不足するんだね。

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